はじめに
本記事では、「超実践 不動産投資のプロ技」を7回に分けて、解説していきます。
本記事は2回目です。
2回目は、「信頼できる不動産業者の見つけ方」ということで記載していきます。
良い業者を見つければ不動産投資はうまくいく
不動産投資の流れは大別すると「買う」「持つ」「売る」の3段階です。
書籍やインターネットなどで知識を身につけ、自身の投資の目標を設定し、
投資物件の目星をつけるようになったら、次のような流れになることが多いと思います。
「買う」
- セミナーや個別面談に登録・参加
- 個別相談
- 信頼できそうな担当者を絞り込む
- 並行してWebサイトなども活用し、自分が買えそうな物件に焦点を当てて情報収集
- 見つけた物件、勧められた物件を検討する
- 購入の申し込み・融資の打診をする
- 売買契約締結・決済・引渡し
「持つ」
- 保有・運営・管理の開始
- リーシング・リノベーション等の実施
「売る」
- 売却査定・売却活動依頼・販売活動
- 売却・引き渡し
全体の流れとしては、勉強から入って、投資の目標を設定して、「人」を見つけて、
「物件」と「金融機関」を組み合わせ、「保有・運営」でひと段落、
タイミングを見て「売却」し、ようやく「その1案件についてゴール」となります。
この中で著者が最も重要だと思っている部分が
「信頼できそうな担当者を絞り込む」です。
ここさえクリアできてしまうと、それ以降の項目、物件を探す・選ぶという作業から、
運営業務、売却のタイミングまで、ほとんどが自動化できてしまうこともあります。
もちろん、お互いにビジネスですから、相手にも利益があって初めて成立する関係です。
不動産業界全体のマップを頭の中に作る
不動産投資において
「付き合う不動産業者が、業界内のどういうポジションにいるか」
ここの把握は重要です。
そのポジションを把握するには、
まず業界全体のマップを頭の中に作りましょう。
この項目で身につけるべきは大分類です。
地図でいうならば「六本木が港区にある」ではなく、
「東京はアジアにある」というレベルで構いません。
ざっくりと世界地図の業界マップ版を身につけてしまいましょう。
さて、不動産関連の業態は、大分類としては、
「開発」「売買」「賃貸」「管理」の4つに分類されます。
まず、ここから認識しておきましょう。
①開発
マンションの分業業者や、その他パワービルダーと呼ばれる戸建ての建売業者さん等々。
要は、施主として、建てる音頭を取るところ。
建物の施工そのものは「建設業」というそもそも別の業界です。
②売買
不動産を仕入れて販売する転売事業者や売買の仲介業者。
③賃貸
不動産の貸付をするオーナーのポジションや賃貸の客付けをする業者。
④管理
分譲マンションの管理業者や賃貸物件の収納代行・督促業務等。
投資用収益不動産はどのように流通しているか?
そもそもどうやって投資用の不動産が世の中に生まれ出てくるのか、
そしてそれが売却できるのか、
ここを押さえておくことで不動産業者の考え方が見えてきます。
「土地や建物を借りたい人がいるから、持っている人が貸す」というのは前提として、
ここではビジネスにおける「建物の立ち上がり時点」に注目してみます。
新築のワンルームマンションや新築の一棟アパート・一棟マンション・ビル等については、
大きくは次のようなかたちです。
最もオーソドックスなかたちとしては、土地所有者自らが音頭を取って、
ハウスメーカーや工務店に依頼して建築するパターンがあります。
資金力がある人が、土地を購入して一から建築するのもここです。
積極的に賃貸運営に動く個人・法人が作り出します。
また、最近だと土地を買って新築を建てるところから
「融資を含めてパッケージ」にしてくれるパターンもあります。
次に「土地の有効活用をしませんか」という謳い文句で
建築をメインでアプローチする業者が地主さんに建てさせるパターン。
受け身な土地所有者が営業を受けて思いきるイメージです。
その他に、デベロッパー事業をメインとする不動産業者そのものが
「建てて売る」というパターンも多いです。
このようにして、賃貸物件として稼働する
「投資用の収益不動産」が出来上がります。
プロに対抗せずに物件情報の入口を作るには
物件情報を最初に取得した不動産業者が、資力があるか、転売できる顧客を持っているか
すれば、その物件はマーケットに出ることなく、押さえられていきます。
例えば、「東京23区内で2010年築の一棟RCマンション、満室稼働中で利回り15%」
なんていう「誰がどう見ても儲かりそうな割安な案件」があったとき、
そこに素人の個人が参入できる余地はほとんどありません。
相場がわかっている不動産業者が「瑕疵担保免責・ローン特約なし・測量不要」等々で
売買契約を取りまとめてしまいます。
投資商品としてみると、「インサイダーってどうなのよ!オイシイ情報を自分たちで
モノにしてけしからん!」と言われるかもしれません。
しかしながら、不動産を売買されるモノとしてみると、
「卸業者」がいても何ら不思議なことはありません。
「投資」と謳ってはいますが、実際には「不動産を買う」という行為には変わりはないため、
ここには両方の要素が介在します。
特に、収益物件、融資の組み立てが「不動産業者のバックアップありき」で
成立している部分が少なくありません。
では、そんな一般個人がまともな物件情報を手にするにはどうしたらいいのでしょうか?
一般商材の物流のイメージでいけば、
「『卸業者と競合する』のは諦めて、卸値で可能な限り安く買う」
ここを目指すのが早いです。
つまり、狙うべきは「投資用不動産の卸業者的なポジション」の不動産業者です。
さて、それでは、それら「卸『的』ポジション」の不動産業者への
コンタクトを取るにはどうしたらいいのでしょうか?
一番簡単なのは、「楽待」や「建美家」などの不動産投資ポータルサイトの中で、
セミナーを開催したり、物件掲載をしたりしている不動産業者から探すことです。
そして、
- セミナーへ参加
- 物件問い合わせ
- 個別相談やコンサルティングを受ける
一般的には、このあたりが1つのスタートとなるでしょう。
その他の方法としては、各地にある大家の会など
「すでに成功した大家塾的なものをやっている方々」を経由して業者を紹介してもらったり、
不動産業者の代表者が書いた書籍を読んでアプローチしたり、というのもよくあるかたちです。
↓以下からセミナー申込、資料請求等が可能ですので、興味のある方はどうぞ。↓
「当たり」セミナーの見つけ方
収益不動産を欲しい気持ちが昂ってきた、業者へアプローチしてみたいと
学習意欲に駆られた場合、「とりあえずセミナーに参加!」というのは
入口として有効です。
「楽待」「建美家」といったサイトには物件情報のみならず、
多くのセミナー情報も掲載されています。
しかもそのほとんどは無料です。
では、このなかで「当たり」を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?
結論を言ってしまうと、セミナーの良し悪しの評価は、
「セミナー内容と参加者の知りたかった内容が合致していたかどうか」です。
興味をそそられる、欲しかった情報を聞き手は得ることができたのか、
ここが良し悪しの判断基準になります。
さて、その満足度の高いセミナーの探し方ですが、まずは、
自分の興味が惹かれるタイトルのセミナーを見つけてみましょう。
楽待の場合だと、
- 初心者向け
- 融資
- 区分マンション
- 一棟物件
- 出口戦略
- 空室対策
などとテーマで分類されているので、これも参考になります。
セミナーを開催する会社が勧める不動産投資が一棟アパートや一棟マンションなのか、
区分ワンルームなのか、新築か中古か、それとも賃貸併用住宅か。
ここによって、セミナーのタイトル・内容も変わってきます。
信頼できる業者と信頼できない業者の見極め方
わかりやすい客観的な指標として、「免許番号の更新回数」というものがあります。
宅建業の免許には、【国土交通大臣(☆)第@@@号】という表記がなされています。
この(☆)の部分、ここが更新回数となっています。
宅建業は5年に1回更新が必要なので、長く続いている会社であれば、
この数字が大きくなり、経験と実績があるイメージが付きます。
ただし、免許番号の更新回数が多い会社を買い取って営業を始めることもあるため、
あくまで判断材料の一部です。
「個人向けの投資用の収益不動産を扱う不動産業者」の見極めとしては、
正直なところ、外側からその業者のホームページを眺めたり、
1つのセミナーに参加してみたりするだけでは、判断がつきません。
これから訪問・相談する予定のある不動産業者や、コンサルタントについて調べるには、
事前のWeb検索でイメージをつかむのがオススメです。
また、営業手法から選別する、怪しい業者としては、次のような傾向があります。
- しつこい電話勧誘
- 長時間の拘束
- 「絶対に儲かる」という発言
- いいことしか言わない
- 同業他社(他物件)を叩きまくる
実際に会って話した際に、コンサルティング営業、つまり「個別相談・ヒアリングありきで
あなたに合ったいい物件を紹介しています」というスタンスの業者が良心的です。
業者の見極めより担当者の見極めの方が大事
不動産投資においては、不動産「業者」以上に営業「担当者」という「ヒト」の当たり外れが、
トプ氏の成否に大きく書か代わってきます。
信頼できる投資用不動産を扱う不動産業者と出会うことはとても重要です。
ただ、注意するべきは、同じ業者の中にも
「デキる人」と「デキない人」がいることです。
では、どんな営業担当者が信頼できて、どんな営業担当者が信頼できないのでしょうか?
まず、「デキる」営業担当者の傾向をまとめると、次の3つです。
- 金融機関の最新動向を把握している
- 物件情報の収集力がある
- 提案に幅がある
一方で、デキない営業担当者の傾向は先ほどと正反対です。
- 金融機関の動向を知らない
- 物件情報が集まらない
- 提案に幅がない
この他、不動産投資に取り組んでいる担当者であれば、どの銀行で、どれくらいの金利・期間で
融資を引いたのか、投入した自己資金や利回り感など、スムーズに答えてくれるはずです。
平たく言えば、「儲かるからやりましょうよ」「今すぐ儲からなくても手堅い資産に
なるから買いましょうよ」という営業をしているのに、それを売っている担当者が
自分でもその資産形成に取り組んでいないと、それはどうなのか?
ここを突っ込んで聞いてみると、信頼できるかどうかの選別につながります。
どうすればオススメ物件を紹介してもらえるのか?
信頼できそうな担当者ができたとして、
その後、どのように物件の情報を求めていくといいのでしょうか?
しつこすぎないレベルで「オススメ物件ないですか?」とアプローチするのがいいでしょう。
アプローチ方法は、電話・メール・訪問等の一般的な方法ですが、
ツールは何であれ、時折、自分の印象を与えておくことが大切です。
「今度ここの査定に行くのですが、いくらなら買いますか?」
自然と不動産業者側から、こんなヒアリングがくる関係が最高です。
それでは、どうすれば優良物件をたくさん紹介してもらえるようになるのでしょうか?
営業担当者も人間です。
「積極的に物件をお勧めしたい!」と思うお客様もいれば、その逆も然り。
顧客側となるサラリーマン投資家が不動産業者や営業担当者を選別するように、
営業担当者側も優良物件をどんどん紹介したい「良いお客様」なのかどうか、見極めを行います。
では、どのような買主候補が「好かれるお客様」「嫌われるお客様」だと判断されるのでしょうか?
まず、営業担当者が「大好きな」お客様には次のような特徴があります。
- 購入できることが明確な人
- 金融機関の選定を営業担当者に任せてくれる人
- フットワーク・判断の速い人
これに対して、「嫌われる、敬遠されがち」なお客様の特徴は次のとおりです。
- そもそも買えない人
- あまりに慎重すぎる・心配性の人
- 金融機関・金利のこだわりが強すぎる人
- 理想が高すぎる人
- 質問内容が細かすぎる人
- 時間を守らない人
- 忙しすぎて時間がまったく作れない人
不動産投資をスタートする時点では、業者から見ればあくまで「お客様」ですから、
下手に出る必要はありませんが、「営業担当者」が大好きなお客様の1~3の
「買える人」「面倒でない人」「スピード感のある人」をアピールしていくのがセオリーです。
ただし、最も信頼関係を築けて自分に合った物件を紹介してもらえるようになるのは、
その業者・営業担当者のユーザーになることです。
「購入した実績」に勝る信頼関係の構築はありません。
以上!
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