診察以降のT郎の様子
T郎は、前回の診察以降、基本的には、日中も含めて、寝室で横になる生活を続けていた。
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(一体、いつになったら、通常の状態に戻るのかしら・・・声をかけていいのかもわからないし・・・)
K子は、不安を抱えたまま、日常生活を続けていた。
そんなある日のこと。
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ただいま~!
3人の子供の末っ子、長女と、真ん中の次男坊のお帰りだ。
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おかえり~!
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ママ、あのね、今日ね、〇〇ちゃんがね・・・
早速、長女からの本日の報告が始まった。
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ママ、今日のご飯、何~?
次男もおなかが減って仕方ないらしい。
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うんうん、〇〇ちゃんがお手紙くれたのね。良かったね。
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今日のご飯は、うどんだよ~。
同時に二人の子供の相手をしていると、長男も帰ってきた。
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ただいま~。
中学に入り、思春期を迎えた長男は、静かに2階にあがっていく。
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ママ、2階で勉強してくるね。
3人の子供たちがT郎の状況を理解しつつも、元気なのが何よりの拠り所だ。
多少、不安が薄れる。
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(この子達が元気でいてくれるだけでも、幸せだと思わなきゃ・・・)
そして、それは唐突にやってきた。
1週間後の朝、ようやくT郎が話しかけてきたのだ。
「K子、いろいろ迷惑をかけてすまなかった。
実は、上司との連絡をメールでやり取りしていたんだが、
とりあえず、一か月は有休というかたちで休むことに決まった。
あと、これまで関わっていたプロジェクトからは離脱することとなったそうだ。」
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分かったわ。良かったわね。ゆっくり休んでね。1週間後の診察は行けそう?
「ああ、大丈夫だと思う。じゃあ、また、寝室で休んでくる。」
K子は胸をなでおろした。
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(少し、回復していそうだし、1か月、休めば、また復帰できるわ、きっと・・・)
再診察
そして、前回の診察から2週間後、再診察を迎えた。
前回と同様、カウンセラーによる簡単なヒアリングと医師による診察を受けた。
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T郎さん、調子はいかがですか?
医師がT郎に尋ねた。
「2週間休んだこともあって、多少、回復はしてきたような気がします。
ただ、やっぱり、私が抜けたプロジェクトのことがどうしても気になってしまいますね・・・」
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お気持ち、お察しします。ただ、調子が回復してきたのはたいへん良かったです。
お休みはいつまでになりそうですか?
「そうですね。あと、2週間です。
あ、あと、現在のプロジェクトからは私は離脱することになりました。」
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それは良かったですね。では、引き続き、自宅で静養してください。
また、2週間後に来院をお願いします。
「分かりました。」
K子は、医師の質問に対して、ハキハキと答えるT郎の姿を見て、
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(ああ、これで、一旦は大丈夫そうだわ)
と、心の中で安堵した。
T郎の仕事への復帰
そして、2週間後。
再診察を受けて、仕事復帰に問題ないことを医師から伝えられたため、
T郎は翌週月曜日から仕事復帰することとなった。
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あなた、良かったわね。
「ああ。」
T郎も1か月の休暇でほぼ元通りの状態に戻ったようだ。
これで、安心して、日常生活を過ごせそうだ、とK子は思った。
そして、T郎は、さらに2週間程度の試験出社を経て、産業医からも、
仕事復帰して問題なし、との見解をもらえたため、6月中旬から正式に仕事復帰することになった。
それから半年間は、上司の計らいもあり、高負荷のかからない軽微な仕事、
また、残業時間の配慮も十分され、大きな問題はなく、時が経っていった・・・
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ところが、半年が経過し、K子も通常の日常生活に慣れ始めたころ、
またしても、「大問題」が起こるのだった・・・
~K子side episode2~ to be continued・・・
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