はじめに
今後の日本を考えるにあたって、講談社現代新書で『未来の年表』シリーズでおなじみの著者の書籍。
前掲書では、現代日本の問題点を指摘し、啓蒙に徹した感がありましたが、この書籍では対策を中心に、基本構想は「戦略的に縮む」ことを軸にしています。
他の書籍でも1990年までの成長戦略はありえない、といったようなことが書かれていることが多いですが、この本ではより具体的です。
日本の企業は薄利多売から一人当たりの生産性を上げることを意識し、少子高齢化が世界でも最も早く進んでいるため、それを逆手に商品を開発し、これから高齢化を迎える世界に売り出せ。
社会人は、「終身雇用」や「年功序列」など考えず、自分を商品として価値があるようにせよ、というような趣旨のことが書かれています。
最後に40~60代向けに(私も含みますが、このあたりが発想の転換のできない世代)、具体的な戦略を挙げていますので、この世代が、一番読むべき世代かもしれないです。
ちなみに、帯には以下のようなことが書かれています。
- 日本企業は売上拡大よりも1人当たりの利益を伸ばせ
- 24時間やめてロイヤルホスト増収
- 40代 残業やめて副業を始めよ ← まさに私です。w
- 50代 住宅ローンを完済すべし
- 60代 家とクルマを手放そう
- テレワークで人事評価が変わる
- ”終の棲家”にタワマンは高リスク
- 70歳まで週3日働ける「マイルド就活」をしよう
第1章 先進国脱落ニッポンの逆転戦略
「もはや日本は先進国ではない」
「人口減少と少子高齢化による衰退をコロナ禍が加速させた」
「コロナ前の生活には、もう戻れないと覚悟しよう」
「労働力もインバウンドも、もう外国人には頼れない」
「失われた30年の根本原因は、人件費削減でアジアと争ったこと」
「日本が高品質の製品を輸出して貿易で稼いできたというのはウソ」
「コロナ禍を逆手にとって戦略的に未来を再構築しよう!」
というような衝撃的な内容が記載されています。
私は、上記の意見に大賛成です。
少子高齢化は止められず、人件費もあがらず、って、もう詰んでるやん・・・
( ゚Д゚)コレカラボクタチワタシタチハイッタイドウシタライイノ・・・
第2章でこれらの問題に対する具体的な方策が記載されています。
第2章 日本企業は「高品質・低価格」を捨てよう
「薄利多売はもうやめて高付加価値ビジネスに転換しよう」
「世界で戦うために売りと強みを見極める」
「海外向けの製品開発は相手国のニーズに合わせよう」
「自社だけで変われないなら、M&Aや他社との連携も視野に入れよ」
「稼げない事業を縮小して外注できる業務を洗い出せ」
「成長分野に若手社員を投入し、優秀な人材に挑戦する機会を与えよ」
「DX(デジタル・トランスフォーメーション)を正しく理解して活用しよう」
「高齢者向けの新商品を開発して海外に売っていこう」
といった方策が記載されています。
私は、こちらも賛成ですが、これは日本「企業」向けなので、個人の方策ではないですね。
しいていえば優秀な人材に自身がなれるようにする、という点が方策ですかね。
そのために、DX人材となる、というのが良いのでは?と考えます。
第3章 コロナ後に勝つビジネスパーソンの働き方
「コロナ禍を口実にした黒字リストラに気をつけよう」
「大企業でも副業OKの時代。会社に縛られない働き方を考えよう」
「コロナ禍で減った残業代は戻らず、今までのような賃金上昇は見込めない」
「テレワークで人事評価が変わる。業務達成度と時間管理能力がカギ」
「給料を上げたければリスキリング(※DXに対応できるデジタルスキルを身に着けること)するしかない」
という趣旨のことが記載されています。
最近の時事ネタだと45歳定年をサントリーが発表しましたよね。
建前上は、人生100年時代なので、様々なスキルを身に着けてくださいね。
本音は、終身雇用、年功序列の崩壊に個人で対応してね、だとは思いますが、これってすごく矛盾してるんですよね。
45歳定年と言いつつ、政府は70歳まで雇用延長する政策を進めていますから。
この矛盾に対応するために、DXを身に着けた人材になれ!ってことですかね。
第4章 縮小ニッポンの新しい生活様式と街づくり
「24時間営業の便利な生活は、もうあきらめよう」
「住む街を通勤の利便性で選んではいけない理由」
「”終の棲家”は一戸建てか、マンションか?」
「自治体の境界を越えて街を再構築する」
「子育て世代を奪い合っている自治体には要注意」
「高齢者を集住させて公共サービスのコストを下げる」
という趣旨のことが記載されています。
これらにも私は賛成ですが、これは自治体がどうするべきか?なので、個人としてできる方策はあまりないですね。
しいていうと、上記のような内容を継続ウォッチして、個人に有用な戦略を練るためのネタとしていくのが良いのかなと思います。
第5章 「人生の未来年表」で戦略的に生き抜く
「40代、50代、60代、年代別マネジメント計画を立てよう」
「40代のうちに準備しておくべきこと」
「50代のうちに済ませておくべきこと」
「60代になったら実践していくべきこと」
のような趣旨のことが記載されています。
まあ、簡単に言うと、章タイトルのとおり「人生の未来年表」を作成しておき、戦略的に生きていきましょう、ということですね。
あとがきに、「このまま戦略性を持たずに漫然と縮んだならば、確実に日本社会は沈みゆく。
それよりも、得意分野に人材を集中し、小さくなろうとも”キラリと輝く国”を目指すことだ。
私は、わが国が進む道は「戦略的に縮む」こと以外に残されていないと考える。」
と記載されており、まったくもって、私も同意見です。
しかし、多くの企業、個人が高度経済成長期の幻影にいまだ強力に憑りつかれており、
大きな変化についていっていない、または、そもそもついていくつもりがない
(ついていく努力をしていない、しているつもりだけどうまくいっていない)のが、
今の日本の現状じゃないかなと個人的には思っています。
また、巻末データ集にグラフで日本が縮みゆく様子が記載されており、
ここも大変興味深いので、一読をお勧めします!
最後に
上述したような状況を踏まえ、戦略的に縮んでいく日本をどのようにしていくのか?
これを国家、企業、団体、地方自治体、そして個人がこの未曾有の変化に対応していく必要がある、
ということが本書籍での結論かと思いました。
まずは、私自身、どのような戦略を練っていくのか、よ~く考え、実践に移していくようにします!
というか、本ブログにも記載しているように、各種投資や副業など少しずつ実践してますけどね!!!
具体的に内容を知りたい方は、お問い合わせフォームから、是非、お問い合わせください!
一緒に、考えて、実践していきましょう!!!
以上!
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