「まずはアパート一棟、買いなさい!」 完全解説! 7回目/全9回

はじめに

本記事では、「まずはアパート一棟、買いなさい!」を9回に分けて、解説していきます。

本記事7回目です。

7回目は、「大家さんの腕の見せどころ!リフォーム大作戦」ということで記載していきます。

自由な発想による「空間の企画力」が大事

満室経営を目指すうえで必要不可欠なのがリフォームです。

物件の魅力を高め、入居者を呼び寄せ、家賃をアップさせるほどに

手を入れれば収益性も向上させることができます。

リフォームで大事なのは、「成約率を高める品質」と「空間の企画力」です。

リフォームを管理会社へ丸投げするのではなく、例えば、日当たりが悪くて暗かったら、

部屋を明るく見せるために、床も天井も白くして、照明も6畳の部屋だったら

8畳用のものを入れれば、好印象になります。

風呂無しのアパートでも、居室に余裕があるなら、シャワーブースを入れればいいでしょう。

昔ながらの共用玄関で居室が別になっているアパートであれば、

共同のシャワースペースを入れるだけでも、差別化が図れるはずです。

人生でリフォームする機会はそうそうないと思います。

どういう空間にしようかなと考えるのは、自分の意見がそのまま反映されるので、

やりがいがあり、楽しい作業です。

自分のセンスで思うようにやってみましょう。

常に費用対効果を意識する

とはいえ、リフォームは、自分の好きにやれるといっても、

そこは経営ですから、常に「費用対効果」を意識しなくてはなりません。

基本的な考え方として、リフォームは「マイナスを消す」ことが第一です。

直せる範囲のマイナス要素は直しておくべきですし、そこは予算をケチるべきではありません。

特に、外壁塗装というのは、長くやっていないと建物の第一印象が陰気で薄汚れて見えますが、

やれば簡単に、びっくりするほどきれいになります。

加えて防水機能の回復もありますので、非常に費用対効果の高い投資です。

外壁の修繕も兼ねるので、一石三鳥です。

内装については、あまりにも高い商品を買うのではなく、

安物でも新品であれば問題ありませんので、

費用対効果の高いリフォームを心がけるべきです。

そのためには入居者のニーズを常に意識しておきましょう。

リフォームはやりがいがあり、奥が深いですが、いったんやり始めると、

「あそこも、ここも」と気になるところが出てきてキリがありません。

したがって、しっかり予算を決めておくようにし、

常に「それが入居付けや家賃にどう反映して、最終的に採算が取れるのか?」

ということを忘れないようにしましょう。

都市ガスからプロパンガスへ切り替えろ

リフォーム費用を圧縮する裏ワザとして、

都市ガスからプロパンガスに切り替えるという手があります。

プロパンガス業者は、平たくいえば、都市ガスのシェアにいかに食い込んでいくかが課題です。

そのため、交渉次第では、ガス関連の設備をサービスしてくれる場合があります。

実際、プロパンガス会社によっては、キッチン、コンロ、洗面台、ユニットバスを

すべて提供してもらい、その工事の費用負担はもちろん、壁のクロス貼りまで

やってもらったという人もいます。

大家にとってはなんともお得な話ですが、プロパンガスは料金が高いというイメージがあるため、

入居者が嫌がる可能性があることがデメリットとなる可能性があります。

ただし、男性の単身者などの場合は、ほとんど気にしない人も多いので、

設備費用がかからない分、家賃を相場より下げれば、入居者にもメリットが出てきます。

リフォーム業者選びは相見積もりが鉄則

リフォーム計画が描けたら、実際に施工するリフォーム業者を選ばなければなりません。

物件購入後は、このリフォーム費が出費の大部分を占めることになります。

安く、しかも質の良いリフォームをしてくれるリフォーム業者と信頼関係を

築くことが、賃貸経営のカギを握ります。

そうした業者をどうやって見つけるかというと、鉄則は「相見積もり」を取ることです。

ただし、気をつけなければならないのは、最初に、「相見積もり」であることをはっきり告げること。

少なくとも3、4軒には声をかけてみないと、

どこが安くて良心的なのかわかってきませんので、注意しましょう。

相見積もりで相場観を養う

相見積もりのいいところは、実際に業者を呼んで「ここをこう直したい」と相談をすることで、

相場観を養えることです。

部材の価格はインターネットなどで調べられますから、それプラス人工代だと

基本的に覚えておけば、相場がつかめるようになります。

そういった相場観ができたら、こちらから逆に指値をしてもいいでしょう。

できれば、周りに経験豊富な大家さんがいれば、

見積もりに立ち会ってもらうとよいでしょう。

リフォームに詳しい人に相見積もりを見せてアドバイスをもらうのもいいですし、

一番いいのは一部屋のリフォームを自分で手掛けてみることです。

そうすることで工事の段取りや相場がわかりますし、今後もその経験は活きていくと思います。

業者は値段で選んではいけない

相見積もりを取って、いざどの業者に依頼するかというときに、

値段だけで選ぶのはお勧めできません。

なぜなら、安いという理由だけで依頼して、ひどい目にあったというケースがよくあるからです。

結局は、たとえ最安値ではなくても、信頼できる業者にお願いするのが一番だと思います。

相見積もりは値段だけでなく、これから自分の経営パートナーとしてお願いできる業者を探す

「オーディション」だと意識しましょう。

賢いやり方としては、是非お願いしたいという業者がいたら、

相見積もりで出た一番安い値段を伝えて、「この値段でやってもらえますか?」と交渉する、

また、その業者の手掛けた現場を見せてもらうというやり方もあります。

見分ける自信のない人は、最初から管理会社に紹介してもらうのもひとつの手です。

いずれにしろ、まずは小さい仕事をお願いしてみて、よかったら継続する、

あまりよくなかったら違うところを探せばよいでしょう。

なにかと依頼しやすい地元の業者へ頼むが吉

相見積もりを頼むときは、基本的には物件のある地元の業者に声をかけたほうがいいと思います。

理由は、仕上がりがよくなかったら地元で評判が落ちてしまいますから、

手抜き仕事をしづらいのと、アフターフォローも頼みやすいからです。

特に、築古の物件の場合は、常になにか問題が起こると思って間違いありません。

将来的にも、そのエリアで物件を増やしていくのであれば、

信頼できる地元のリフォーム業者を開拓すれば、

「一部屋空くのでお願いします」

「また物件を買うので、よろしく」

と、電話一本で依頼できるようになります。

その関係ができるまでは大変ですが、大事な事業のパートナー探しですから、

キチンと実施しましょう。

リフォームの現場を見に行くべし

リフォームが始まったら、ときどきは現場を見に行きましょう。

工事をしている職人さんにしてみれば、見られていたら、手抜き工事はできないですよね。

実は、職人さんの手の抜き方にもいろいろあって、それは以下のような内容です。

  1. 壁に断熱材を入れない
  2. 塗装を一度塗りで済ましてしまう
  3. 壁紙の仕上げが雑になっている
  4. 床下や壁の裏側にたばこの吸い殻や空き缶を隠したりする

とはいえ、だまってみているだけでは感じが悪いですから、お茶や缶コーヒーを差し入れたりして、

「ちょっと見ていってもいいですか?」と邪魔にならないようにしていればいいと思います。

また、現場をしっかり見ることで、大家としてもリフォームについての知識がつき、

あとあと必ず活きてきますので、できるだけ現場に顔を出すようにしましょう。

目先の利益ではなく中長期ビジョンを考える

リフォームする時はいかに費用を圧縮できるか、それだけでなく、

将来の物件経営にどう影響するかといった、中長期的な視点で見ることも大事です。

例えば、課税所得が多く、支払う税金額が多い場合は、

経費として計上できるリフォームを行って、惜しまず予算をかけ、

入居者の満足度を上げることもひとつですし、

管理会社にリフォームをお願いするのも、管理会社がそれで恩義に感じて

優先的に部屋を決めてくれるなら、長期的な視点で見て、得につながります。

また、相場も知らずに「とにかく値段を下げろ!」というだけの大家は嫌われますので、

相場感を把握したうえで、信頼関係を構築しましょう。

何十年もそこで事業をやっていくわけですから、目先の利益だけにとらわれず、

将来を見据えて判断するようにしましょう。

目先の利益だけでなく、中長期的な視点を持つ!

以上!

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