はじめに
本記事では、「まずはアパート一棟、買いなさい!」を9回に分けて、解説していきます。
本記事は4回目です。
4回目は、「資産性が低くても、銀行から融資を引く秘訣」ということで記載していきます。
融資を取り巻く状況は厳しいが・・・・・・
昨今の賃貸不動産に対する融資基準は、非常に厳しい状況です。
はっきりいって「引きづらくなっている」といってもいいでしょう。
特にメガバンクともなれば、その状況は顕著ですし、
基本的には、中小の銀行もメガバンクの安全基準に追従しています。
しかし、世の中にはニッチ市場があります。
大手が手を出さないような案件に積極的に融資していく
金融機関というものが存在するのです。
金利は高めになりますが、それでも借りられないよりはマシでしょう。
その分、利回りの高い物件を買えばいいのです。
また、銀行が融資を渋っている現状はかえってチャンスともいえます。
なぜなら、融資が引けないために、買い手が現れず物件が売れなくなってくるからです。
地元の地銀、信金、信用組合から借りる
地方銀行、さらには、地元の信用金庫や信用組合というのは、
「地域密着型で、人を育てて地域に貢献する」
という企業理念を掲げています。
地方銀行は融資基準は厳しいですが、信用金庫、信用組合であれば、
物件の法定耐用年数が過ぎた築古物件、再建築不可でも融資してくれる可能性があります。
ただし、残念ながら、居住地と離れた地方に物件を買う場合、
信金や信組には融資可能エリアというのがあり、
そのエリア外の物件には融資が付きにくいというデメリットもあります。
また、地元の信金や信組を利用したいと思っても、
そこに住居や勤務先がないと難しくなってきます。
しかし、きちんと事業計画書を用意して、趣旨や熱意をアピールすれば、
可能性は開けてきます。
最初はダメでも、顔を覚えてもらえば、大丈夫だろうと思ってもらえるかもしれません。
労を惜しまず、数多くの金融機関をあたってみましょう。
日本政策金融公庫から借りる
民間の金融機関では融資が難しいという場合に頼れるのが、日本政策金融公庫です。
公庫は民業を圧迫せず、民間の金融機関では受け入れてもらえない案件のために
融資を行うというのが原則です。
そのため、収入が安定していないフリーランサーや、収入が低い人たち、
自己資金が少ない人たちでも借りられる可能性があります。
ただし、デメリットとして、融資期間が短いことがあります。
長くても10年、15年といった期間でしかローンが組めません。
また、物件への評価が厳しいのもデメリットです。
そのため、自己資金を多く用意しておいたほうがよいでしょう。
日本政策金融公庫の利用シミュレーション
日本政策金融公庫の普通貸付の融資上限は、4,800万円です。
理論上は、1,500万円の物件を3棟買うことができます。
以下、シミュレーションです。
- 自己資金300万円
- 1,500万円のアパート
- 諸費用100万円
- 家賃収入300万円(利回り20%)
- 1,300万円の融資を受ける必要あり
- 月々の支出15万円
- 月々のC/F10万円(満室想定)
- 月々のC/F 5万円(満室の8割想定)
- 月々のC/F赤字(満室の5割想定)
満室経営であれば、月々10万円のC/Fがたまっていきますから、本業のほうも頑張り、
その他倹約もすれば、1~2年後には再び300万円の自己資金を貯めることができるでしょう。
そうしたら再び同じことをあと2回繰り返しましょう。
そうしたら、10年後には、満室経営で月に42万円のC/Fが生まれます。
そして、繰り上げ返済をして、あと1~2棟増やせば
「無借金で年間家賃収入1,000万円」
も夢ではありません。
なんといっても現金は強し
さまざまな金融機関のローンがある訳ですが、
やはり現金が多くあることに越したことはないです。
銀行が融資を渋っている現状で物件も売れにくくなっていますから、
ますます売主は弱気です。
逆に買い手に有利ですし、さらに現金があれば、なおさら有利です。
また、融資を受ける場合でも、自己資金が1割しかないのと半分あるのとでは、
まったく融資の引きやすさが違います。
しかし、持たざるものは無い袖は振れないので、必死に現金を貯めながら、
融資を引くために、不動産の情報ばかりでなく金融機関の情報にも敏感でいるようにしましょう。
「融資を引く=購入」がゴールではない
1棟目をしっかり収益を生む物件にできて、ローンをきちんと返しつつ、
現金も貯まっていく状態を作れたら、2棟目、3棟目のローンは
それほど苦労せずに受けられるかと思われます。
なぜなら、1棟目の事業実績を評価してもらえるからです。
稼働率がよければ、銀行はよい評価を下してくれます。
全空室に近いような物件をV字回復して、高稼働させていたら、
より融資を引きやすくなります。
短期間では続けて物件を買う余力のない人でも、利回り20%の物件であれば、
満室時の家賃収入をすべて返済に充てれば、6年程度で完済するはずです。
そうすれば、その物件は無借金になって担保余力が生まれます。
また、現金も増えていって、実績とともに融資を引くための武器は
どんどん増えていくことになります。
ですから、購入した物件をしっかり稼働させていき、
金融機関のパイプもできていきます。
とにかく、1棟目を必死で満室経営することが大事です。
最初に労力をかけて努力しておくと、空室を埋める自信もついてきますし、
自分自身の経験値もあがっていきます。
そのことで、さらに事業を発展させていく力になっていくのです。
以上!
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