はじめに
本記事では、「まずはアパート一棟、買いなさい!」を9回に分けて、解説していきます。
本記事は9回目(最終回)です。
9回目は、「入居者が決まったら、いざリスクに負けない運用を!」ということで記載していきます。
支出をしっかり把握する
入居者を見つけ、これから何十年と賃貸不動産を運営していくに当たって、
押さえておくべきことがあります。
それは必ずかかる経費があり、それを事前に正確に把握して、収支計画を立てることが重要です。
経費には、不動産管理料やローンの利息額のほかに以下のものがあります。
- 固定資産税・都市計画税、事業税
- 宅建建物取引業者への仲介手数料や広告料
- 原状回復を含めた修理費やリフォーム費
- 大規模修繕費
- 給排水設備、電気設備、ガス設備の工事
- 火災保険料、地震保険料
- 定期清掃費
- 住宅用火災警報器、消防設備や消火器の詰め替え
まだまだある見えづらいリスク
物件運営にはメンテナンスのために、ほかにもさまざまな費用がかかります。
物件の規模によって当てはまるもの、当てはまらないものがありますが、
以下のようなものがあります。
- 受水槽や高架水槽、加圧タンクや圧力ポンプ、増圧ポンプ、揚水ポンプのメンテンナンス費
- 浄化槽やブロアーのメンテナンス費
- エレベーターの電気代、メンテナンス費
- キュービクルのメンテナンス費
- 植栽の剪定費
- 除草剤の散布費
- 共用灯や敷地内の電灯のメンテナンス費
- ゴミステーションのメンテナンス費
- 消防法に基づく防災設備のメンテナンス費
- 確定申告の費用
- 自治会費
更新料をもらわないことのメリット
更新料は2年の契約が終了して、更新時に、賃料の1か月分をもらうのが相場です。
ただし、更新のタイミングで出て行かれるというのは、
この更新料があるからなのは、間違いありません。
そのため、更新料をなしにすることも検討しましょう。
大家にとっては、ずっと住み続けてくれたほうが、部屋をリフォームする必要もないですし、
次が決まるまでの「空室期間=機会損失」もありません。
このご時世、そう簡単に次の入居者が決まる保証もありません。
ただし、更新料をなくすというのは、不動産屋があまり歓迎しないでしょう。
彼らにとって、更新料やその手数料は収入源のためです。
そこは
「こんなご時世ですから、出ていくきっかけを与えたくない」
と大家側から不動産屋に交渉してみればよいでしょう。
物件売却のタイミング
融資を受けて購入した物件も、ローンを返し終わったら、名実ともに
晴れて自分の「所有物=実物資産」となります。
「無借金=無抵当」ですから、どうしようが自分の思い通りです。
そのまま稼ぎ続けてもいいですし、売って現金に換えてもOK。
建物を壊して新たにアパートなりマンションなりを建ててもいいですし、
住宅にして、自分が住んでもいいですし、また、それを売るという手もあります。
将来的にその物件をどう運用するかを「出口戦略」といいます。
基本的に、築古物件は、そもそも売れ筋の物件ではないから、安価で高利回りで買えるわけで、
それからさらに築年数が経過するわけですから、さらに売りにくくなっていることは
覚悟しなければならないでしょう。
それが大前提ですが、物件を手放したほうがいいタイミングもあります。
それらは以下の内容です。
- 現金が必要なとき
- 売却したお金で資産を組み替えたいとき
- 飽きたとき、自分には賃貸経営が向かないと悟ったとき
- 大規模修繕を目前にして、その費用の目途が立たないとき
- 相性が悪くて見限るとき
物件の本当の売り時とは?
ここではもっと積極的に「売却益」を狙うことを考えましょう。
金融機関の不動産投資案件への融資基準が緩みはじめたなら、それは売り時です。
融資が付きやすいため、購入する人たちが増え、売り手市場となるからです。
また、マンション・デベロッパーが売り惜しみをしはじめたときも、大きく利益確定をするタイミングといえるでしょう。
でも高値を狙いすぎると売れないこともあります。
「資産性よりも高利回りのものを買うこと」というのは、いくら資産性が高くても、
「現金化=売却」するのは難しいからです。
売却が唯一の出口戦略ではあとがないですし、所有していて高利回りで稼働する物件を
持つことを必須条件として、転売については過度な期待を持たないほうがよいでしょう。
結局、売って得するかどうかは、その人の資産形成の考え方、さらにいえば生き方によると思います。
物件を売るのか、それとも手元で稼働させ続けるのかを判断して、
売るならベストのタイミングを逃さないようにしたいものです。
以上!
コメント