「まずはアパート一棟、買いなさい!」 完全解説! 9回目/全9回(最終回)

はじめに

本記事では、「まずはアパート一棟、買いなさい!」を9回に分けて、解説していきます。

本記事は9回目(最終回)です。

9回目は、「入居者が決まったら、いざリスクに負けない運用を!」ということで記載していきます。

支出をしっかり把握する

入居者を見つけ、これから何十年と賃貸不動産を運営していくに当たって、

押さえておくべきことがあります。

それは必ずかかる経費があり、それを事前に正確に把握して、収支計画を立てることが重要です。

経費には、不動産管理料やローンの利息額のほかに以下のものがあります。

  1. 固定資産税・都市計画税、事業税
  2. 宅建建物取引業者への仲介手数料や広告料
  3. 原状回復を含めた修理費やリフォーム費
  4. 大規模修繕費
  5. 給排水設備、電気設備、ガス設備の工事
  6. 火災保険料、地震保険料
  7. 定期清掃費
  8. 住宅用火災警報器、消防設備や消火器の詰め替え
支出をキチンと把握し、収支計画を立てる!

まだまだある見えづらいリスク

物件運営にはメンテナンスのために、ほかにもさまざまな費用がかかります。

物件の規模によって当てはまるもの、当てはまらないものがありますが、

以下のようなものがあります。

  1. 受水槽や高架水槽、加圧タンクや圧力ポンプ、増圧ポンプ、揚水ポンプのメンテンナンス費
  2. 浄化槽やブロアーのメンテナンス費
  3. エレベーターの電気代、メンテナンス費
  4. キュービクルのメンテナンス費
  5. 植栽の剪定費
  6. 除草剤の散布費
  7. 共用灯や敷地内の電灯のメンテナンス費
  8. ゴミステーションのメンテナンス費
  9. 消防法に基づく防災設備のメンテナンス費
  10. 確定申告の費用
  11. 自治会費

更新料をもらわないことのメリット

更新料は2年の契約が終了して、更新時に、賃料の1か月分をもらうのが相場です。

ただし、更新のタイミングで出て行かれるというのは、

この更新料があるからなのは、間違いありません。

そのため、更新料をなしにすることも検討しましょう。

大家にとっては、ずっと住み続けてくれたほうが、部屋をリフォームする必要もないですし、

次が決まるまでの「空室期間=機会損失」もありません。

このご時世、そう簡単に次の入居者が決まる保証もありません。

ただし、更新料をなくすというのは、不動産屋があまり歓迎しないでしょう。

彼らにとって、更新料やその手数料は収入源のためです。

そこは

「こんなご時世ですから、出ていくきっかけを与えたくない」

と大家側から不動産屋に交渉してみればよいでしょう。

物件売却のタイミング

融資を受けて購入した物件も、ローンを返し終わったら、名実ともに

晴れて自分の「所有物=実物資産」となります。

「無借金=無抵当」ですから、どうしようが自分の思い通りです。

そのまま稼ぎ続けてもいいですし、売って現金に換えてもOK。

建物を壊して新たにアパートなりマンションなりを建ててもいいですし、

住宅にして、自分が住んでもいいですし、また、それを売るという手もあります。

将来的にその物件をどう運用するかを「出口戦略」といいます。

基本的に、築古物件は、そもそも売れ筋の物件ではないから、安価で高利回りで買えるわけで、

それからさらに築年数が経過するわけですから、さらに売りにくくなっていることは

覚悟しなければならないでしょう。

それが大前提ですが、物件を手放したほうがいいタイミングもあります。

それらは以下の内容です。

  1. 現金が必要なとき
  2. 売却したお金で資産を組み替えたいとき
  3. 飽きたとき、自分には賃貸経営が向かないと悟ったとき
  4. 大規模修繕を目前にして、その費用の目途が立たないとき
  5. 相性が悪くて見限るとき

物件の本当の売り時とは?

ここではもっと積極的に「売却益」を狙うことを考えましょう。

金融機関の不動産投資案件への融資基準が緩みはじめたなら、それは売り時です。

融資が付きやすいため、購入する人たちが増え、売り手市場となるからです。

また、マンション・デベロッパーが売り惜しみをしはじめたときも、大きく利益確定をするタイミングといえるでしょう。

でも高値を狙いすぎると売れないこともあります。

「資産性よりも高利回りのものを買うこと」というのは、いくら資産性が高くても、

「現金化=売却」するのは難しいからです。

売却が唯一の出口戦略ではあとがないですし、所有していて高利回りで稼働する物件を

持つことを必須条件として、転売については過度な期待を持たないほうがよいでしょう。

結局、売って得するかどうかは、その人の資産形成の考え方、さらにいえば生き方によると思います。

物件を売るのか、それとも手元で稼働させ続けるのかを判断して、

売るならベストのタイミングを逃さないようにしたいものです。

以上!

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