はじめに
本記事では、「超実践 不動産投資のプロ技」を7回に分けて、解説していきます。
本記事は6回目です。
6回目は、「収益を上げるための物件運用術」ということで記載していきます。
オーナーがやるべきなのは方向性を示すこと
不動産投資の基本ロジックは「買う」「持つ」「売る」の3つです。
ここからは、「持って」からのお話です。
「投資用不動産の運営」「賃貸経営」というと難しそうに聞こえますが、
大部分の不動産オーナーは、管理会社にその管理を委託しています。
その内容は主に次のようなものです。
- 家賃の収納代行
- 空室発生時の募集
- 空室発生時の修繕手配
- 退去時の立会い
経営者がやるべきは、方向性の提示と、それをチームと共有することです。
方向性には、次のようなものがあります。
- とにかく満室稼働
- とにかく高い賃料
- 入居者の属性重視
理想を言えば、満室稼働で、高い賃料で、優良入居者のみで手間なく
延々とお金を生み出してくれる不動産が理想ですが、
退去というものは必然的に発生します。
賃貸経営において、オーナーの意向を入れ込んでいくのは、まさにこの退去時です。
修繕をどのレベルにするのか、募集賃料をどうするのか、どんな入居者を狙うのか。
ここからは運営に際して、プロが押さえておく項目にフォーカスしていきます。
プロの管理会社の選定方法
保有する物件が区分の1部屋だけ、小さな一棟アパートだけならば、
賃借人と直接やり取りをする「自主管理」をする方もいますが、
不動産業者やプロ投資家は、管理のプロである管理会社を活用するのがセオリーです。
管理会社といっても、会社だけでなく、その担当者によって当たり外れはあるものですから、
最終的には任せてみるまで、判断するための絶対的な指標はありません。
管理委託する以前に判断できる客観的な材料は主に次の3つです。
- 管理料
- 管理戸数
- 管理業者のタイプの違い
これらは電話で問い合わせるなり、管理会社に訪問して話を聞くなりで、
担当者から聞くことができる項目です。
たとえば、次のように質問をするといいでしょう。
「御社の管理料は何%ですか?それには清掃なども入っていますか?」
「今、管理している戸数はどれくらいあるのですか?管理担当は何人くらいですか?」
「自社で客付け営業する感じですか?それとも客付け業者さんに協力してもらう感じですか?」
管理会社に求められるのは客付け力です。
極端な話、ここが強ければ他が緩くても許される傾向があります。
「空いたらすぐに埋めてくれる」管理会社はすごくありがたいですが、
「出る前に決める」のが最強の管理会社です。
空室対策をヒト任せにはしない
不動産投資の顕著なリスクが「空室」であることは言わずもがなです。
どれだけシミュレーションでいい数字が出ていようとも、
実際に賃貸物件として稼働しなければ意味がありません。
しかし、すべての賃貸中の物件に、いつかの退去は必然的に発生します。
その発生する空室期間をいかに短くして、
「お金を生み出すマシーン」として素早く再稼働させるか、ここがポイントです。
退去後に速やかに修繕を実施し、次の入居者を確保できる状態にする必要があります。
空室対策として不動産オーナーができる選択肢は大きく次の3つです。
- 自らも募集に動く
- 条件変更
- 物件価値の増進
不動産投資というものは、賃貸の稼働中は自動で稼いでくれる「ただの投資」の
色合いがあるものの、いざ空室の発生時には、やはり「賃貸経営事業」だと認識されます。
場所がすごくよかったりすると、たいした修繕をしなくても、すぐさま入居がついたりして、
経営手腕を発揮するまでもない羨ましい不動産もありますが、それは稀です。
土地・建物の持つポテンシャルを最大限引き出してあげるのは、
やはり不動産オーナーの醍醐味です。
リフォーム業者の付き合い方
賃貸経営に本気で取り組むプロとしては、リフォーム業者さんとの円滑な関係は欠かせません。
通常空室が発生した際には、管理を委託している管理会社が修繕業者を手配し、
見積もりを提案してきます。
もちろん、出てくる見積もりは、管理会社の手間賃が上乗せされたかたちになっています。
オーナーにやさしくない管理会社だと、
リアルな見積もりに一律で20%乗せているケースもあります。
一方で、不動産業者や専業大家などのプロは管理会社が外注する先の
「リフォーム・修繕業者そのもの」と直接請負契約を締結するのが当たり前になっています。
賃貸経営において、この修繕費用は結構大きなコストです。
入居候補者の内見が入るように、写真映えするようにしたい。
その反面、過度にお金をかけると投資として成立しない。
この問題は大家業をやっている人であれば、誰しもが経験するところ。
管理会社からあがってきた見積もりを鵜呑みにするのでは、
いつまでも素人の域を脱することはできません。
プロ化を目指すのであれば、直接のやり取りはぜひ経験するべきです。
修繕依頼の指示はどうすればいいのか?
慣れないうちは、Webサイト、特にGoogleの画像検索やリノベーション業者の施工例が
あるサイト等から「こんな雰囲気にしたい」と参考になる内容のURLを送ったり、
画像をまとめて提示したりするのが早いです。
これらのWebサイト等から、スクリーンショット等で、ワードやパワーポイントなどに
貼り付けるなどして、業者さんに送信するのが、簡単です。
もし、特定の使いたいグザイ、シャワー水栓や、照明器具、モニターホン等が決まっている
のであれば、設備ならAmazonや楽天などから、そのURLや品番・価格の記載箇所を
まとめて提示したり、壁紙等であれば、Webカタログから、品番と施工箇所を
写真や平面図で図示したりするとよいでしょう。
プロパンガス業者を活用する
昨今、不動産オーナーに向けての営業として、
「給湯器のフルメンテナンス」「モニター付きインターホン」「ガスコンロ」、
このあたりまでプロパンガス業者が面倒を見てくれるケースがあります。
これらの費用を羅列してみると次のようになります。
- 給湯器(交換・新規設置):15万円
- エアコン(交換・新規設置):15万円
- モニター付きインターホン:1万円
- ガスコンロ:1万円
- 合計 約32万円
戸建の1世帯ならまだしも、これが一棟アパート・一棟マンションで10世帯なら320万円、
20世帯なら640万円、これだけの設備費用となると、不動産投資家・大家としては、大事です。
ほかにも無償インターネットやウォシュレットなどまでサービスで無償貸与ということもあります。
これらの設備関係がすべて無料となると、大家としては嬉しいかびり。
また、設備の貸与といったサービスでなく、戸当たり〇万円といった「紹介料」等の名目で
お金をもらえるケースもあります。
ただし、現状で都市ガスが入り、稼働状況がいい物件であれば、プロパンガスへの変更は
ガス器具の変更とガス料金のアップという条件変更となるため、わざわざ変更する必要はありません。
プロの不動産業者・不動産投資家は、すべて空室のような物件を購入してリノベーションをする、
新築アパートを建築する、こういった場合にプロパンガス業者のサービスをフル活用し、
給湯器をタダで新品に交換しています。
リフォーム業者の相見積もりのごとく、プロパンガスも相見積もりは有効です。
プロがしているリスクヘッジ
地震大国である日本の不動産投資において、災害の発生は頭を悩ませる項目です。
投資する対象が、土地・建物という現物そのものですから、火災による消失や、
地震における倒壊などは、「賃貸」自体ができなくなる致命的なリスクとなりえます。
これらの自然災害に対する、主なリスクヘッジ方法としては、保険への加入が挙げられます。
あまり記憶になくても、アパートローン等の融資を使うにあたっては、
火災保険の加入が必須であるため、意図しないうちに入っているでしょう。
その他のリスクヘッジには以下のようなものがありますので、注意しましょう。
- 空室リスク対策
- 滞納リスク
- 借入金利の上昇リスク
- 流動化リスク&不動産価格の下落リスク
以上!
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