はじめに
なんで、日本人の所得ってあがらないの?
諸外国の所得はあがっているっていうのに・・・
「安いニッポン 「価格」が示す停滞」でも読んでみるか・・・
私も倹約に努めてはいるんだけど、所得もあがらないし、
なんとなく税金も増えているような気がするのは、気の
せいかしら?
みなさんも、なんとな~く気付いているとは思うのですが、
いわゆる「失われた30年」で、ずっと日本の所得って変わってない。
なんなら、安くなっている感じがしますよね。
バブル崩壊以降、デフレ状態が継続し、物価も上昇しない、賃金も上昇しない。
そんななかで格差は開く一方・・・。
そこから脱却するための策があるのかどうか。
そのような興味から「安いニッポン 「価格」が示す停滞」を読んでみました。
諸外国の物価と比べてみた結果
昔は「日本の物価は他国と比較したら高い」と言われていたし、海外旅行でアジアの国々に行けば、物価が安いから贅沢できるようなイメージってありませんか?
ところが、そうではなく、
いまや、日本はむしろ「モノやサービスが安い国」になってしまったのです!
えっ!そんなこと考えたこともなかったわ!
例えば、東京ディズニーランド。
いまや、「世界で一番安くなっている」そうです。
日本が8,200円に対して、アメリカフロリダ州は、14,500円、
カリフォルニア、パリ、香港でも10,000円を超えているようですね。
なぜ日本の物価はこんなに安くなってしまったのか?
そんななか、多くの日本人は、ディズニーランドの入場料8,200円を「高い」と考えているのです。
少し前に中国人の爆買いが流行りましたが、
彼らは単に「日本で買うとコスパが良い」とみなしていただけだったのです!
私の印象は、「質の高い日本の製品を東南アジアの小金持ちが求めてきている」
のだと思っていたのですが、そんなことなかったのです・・・。( ゚Д゚)
じゃあ、物価あげて、デフレ脱却して、賃金もあげて・・・
ということが単純な対策のように思えますよね。
ですが、今の多くの日本人は、
「モノやサービスの値段があがることの拒絶反応」を強く示しています。
さらに、日本の企業も、値上げしたくても、
これまで値上げしたことで売り上げが下がった事例を多く見てきているので、
なかなか踏み切れないのです。
海外で物価が上がっている理由は?
逆に、諸外国で物価が上がっている大きな理由のひとつは
「人件費が上がっていること」なんですよね。
アメリカでは、「物価が2%あがるが、人件費は3%ずつ上がっている」そうです。
要するに、日本で物価が上がらないのは
「人件費を上げずに済んでしまっているから」ということなのです。
結果的に、物価を上げながら、それを上回るかたちで
人件費を上げてきた諸外国との差は、どんどん開いてきてしまいました・・・。
日本の現状
結局、日本は「安い賃金で働いている人たちが、安い物価のおかげで、
それなりに生活できている(出来てしまっている)国」になってしまっているのです!
みんなお金がないから、物価が上がることに敏感になり、
企業は企業努力で価格を維持しようとするけれど、結果、人件費があげられない。
この繰り返し(いわゆるデフレスパイラルですよね)で
悪循環から抜け出せないのが、日本の現状なのです。
そういうことだったのね。
どおりで、所得があがらない訳だわ・・・
日本人の心情
こんな状況のなか、良くも悪くも、日本人の勤勉さによって、
日本人は日本の中では、それなりに幸せに暮らしているように見えるのだけれど、
「失われた30年」の間に、諸外国が日本に追いつき、追い越していったのです。
諸外国がどんどん豊かになっているだけに、
日本人の閉塞感は非常に強いのではないでしょうか?
とはいえ、給料が安くても、「安くても高品質なものが手に入りやすい国」であれば、
それなりに幸せなのでは、という考え方もありますよね。
しかし、日本の「安さ」や「給与体系」のせいで、
すばらしい技術を持つ中小企業が外資に買われていったり、
IT業界の若いエンジニアが海外に流出していったりしているのが現状なのです。
もちろん、外資のおかげで倒産を免れ、技術を継承できた、給料も上がった、
というプラスの面もあるのだとは思います。
ですが、このままでは、日本の国際競争力は落ち、優秀な人は日本から出ていき、
制限なんかしなくても、外国人労働者は日本を敬遠してしまうことになるでしょう・・・。
最後に
このような状況を打破するために「生産性を上げて、
競争に勝っていかなければ日本の未来はない」のでしょうけど、
新自由主義経済を突き詰めて、一部の人が富を寡占していく
「平均値としては豊かな社会」が本当に豊かと言えるのでしょうか???
岸田新政権が誕生し、新たな資本主義のかたちを検討し、
実行していただけるようですが、果たして、
これまで30年間続いてきたデフレを脱却し、
「本当に豊かなニッポン」を実現できるのかどうか?
あまり期待はできませんが、まずは政策の動向を見ていきたいと思います。
そうね。まずは、様子を見てみることにするわ。
以上!
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