はじめに
表題の記事の感想を記載したいと思います。
尚、引用元は以下です。
引用内容
● 住宅市場の3極化が顕著になった 2021年の住宅市場
コロナ禍一色であった2020年は、不動産市場においても緊急事態宣言下に置かれた4月、5月には取引が半減するなどの影響も見られた。ところが落ち込みは一時的な傾向で、宣言開けには再びニーズが増加、現在も基本的に上げ基調で推移している。2021年10月に不動産経済研究所が発表した首都圏新築マンション平均価格は6750万円となり、1990年のバブル期を超えたと話題を集めた。
一方、「首都圏」の内訳をつまびらかにすると、エリア内での格差が見えてくる。同じ首都圏でも東京23区の平均価格が8455万円である一方、神奈川県が5101万円、埼玉県が4698万円、千葉県は4288万円と、都心・都市部である東京23区と著しい開きがあることがわかるだろう。
「都心」「駅前・駅近・駅直結」「大規模」「タワー」に代表される、より利便性の高い地域へのニーズはさらに高まり、そうではない地域との格差が強調される「市場の3極化」の構図がここにも見て取れる。この傾向は2021年でより顕著に進んだといえるだろう。
● 住宅市場は 新築、中古ともに絶好調
新築および中古の住宅市場が好調な背景として、以下三つの要因が影響している。
1.リモートワークをはじめとするコロナ禍を経た「家」への意識変容
まず考えられるのが、コロナ禍により、人々の「家」に対する認識に変化が生まれたことだ。緊急事態宣言による外出自粛、リモートワーク(在宅勤務)の増加により、自宅で過ごす時間が増加した。より広い自宅で、快適に過ごすことを優先した結果、一次取得層(新規購入者)における持ち家のニーズが高まったのだ。
さらに共働きで収入水準の高い夫婦、「ダブルインカム」が購入層のメインとして市場をけん引していることも好調要因の一つとなるだろう。
2.人手と住宅設備機器の不足
建設業界では、人手不足が慢性的な課題となっている。既存の職人の高齢化が止まらない半面、新規の人材確保には至っておらず、人件費の高騰が続く。受給の逼迫(ひっぱく)により木材価格が高騰する世界的な「ウッドショック」により、日本国内の木材流通価格も上昇した。さらに国際的な半導体不足の影響も深刻だ。半導体を使う給湯器が品薄となり、価格も値上げ傾向にある。
3.住宅ローンの低金利
そして、住宅市場好調の最大の要因といえるのが現在の「超」低金利という環境だ。例えば変動金利で最も低いauじぶん銀行なら0.289%(2022年1月適用。キャンペーン適応など諸条件あり)。また固定金利であっても1%前半台がほとんどであり、「歴史的」と言ってもいいほどの低金利時代が続いているのである。
加えて2021年末まで、ローンを組んで住宅を購入する際、借入額4000万円を上限としてローンの年末残高の1%を所得税の額から差し引く減税措置が取られてきた。いわゆる住宅ローン減税(住宅取得等特別控除)と呼ばれるものだ。金利が1%以下の住宅ローンを利用した人がこの制度で控除を受ける場合、減税の額が利払いの額より大きくなる「逆ざや」が得られることになる。
例えば0.5%の金利で住宅ローンを組み住宅を購入したとしよう。年末時点で借入残高が4000万円あった場合、年間40万円の控除が受けられるわけだ。単純計算ではあるが、0.5%の金利であれば年間のローン利息は20万円となる。つまり40万-20万=20万円の「逆ざや」が得られることとなる。借入額が大きいほど得する仕組みであり、「補助金をもらって家を購入しているようなもの」とはよく言ったものだ。
逆ざやによって、不要な借り入れを行うケースが問題視される事態にもなった。2019年には会計検査院が逆ざやに対する問題点を指摘している。そこで与党の税制調査会は2021年12月「2022年度税制改正大綱」をまとめ、住宅ローン減税の減税期間や控除額など制度見直しを公表した。
逆ざやの是非はともあれ、圧倒的な低金利と減税策が住宅購入へのハードルを下げたのは事実だ。これらが住宅市場活況の追い風となったことは間違いないだろう。
● 住宅ローン減税見直しの影響はどうなる 2022年の不動産市場予測
2022年以降、国内の不動産市況において、やはり金利は大きな指標となりうる。海外に目を転じると、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行は利上げを発表、加速するインフレ対策に着手している。またアメリカもFRB(米連邦準備制度理事会)がインフレの長期化を防ぐため、テーパリングで金融緩和の縮小後、段階を踏んで利上げを加速させる方針を明らかにした。
しかし、日本では企業物価指数は上がっているものの、消費者物価指数はまだ上昇傾向にはない。今のところ、英米のようなインフレを懸念し、金利を上げる、上がる状況には置かれていないといえる。このまま低金利時代が続く前提においては、国内の住宅需要は引き続き好調をキープしていくものと考えられる。
先述した住宅ローン減税の制度変更が不動産市況に与える影響を危惧する声も一部に聞かれる。「2022年度税制改正大綱」によれば、控除率が1%から0.7%となり、年末のローン残高の上限額や控除対象の所得制限も引き下げが決まっている。
だが、その一方でローン控除の期間が10年から13年に延びている。もちろん、「逆ざや」の恩恵が減少する面では影響がないとはいえない。けれども控除率の0.7%よりも低い金利のローンであれば、逆ざやとなるケースもあり、大きな影響を受けるのは都市・都心部の高額物件の購入層ということになる。住宅市場への全体的な影響はそれほど大きくはないと予測できる。
新築マンション市場と同様、新築戸建て市場も2021年から引き続き、好調に推移を続けていくだろう。特に都市郊外のロープライスな一戸建てのニーズが高まり、新築マンションと同じく順調に供給戸数を減らしている。用地不足や一部資材不足も響き、新築マンション・新築一戸建てとも新規供給数は一気に増やすことはできない状況だ。供給が少なければ価格は維持ないしは上昇が続き、今後この流れは中古市場とも連動していくとみている。
ただし、住宅市場がおしなべて好調というわけではない。ニーズが高い「都心」「駅前・駅近・駅直結」「大規模」「タワー」の需要が高まる一方、「駅から遠い」などの立地や間取りに難がある物件はなだらかに価格も下落し、取引も減少していくと考えている。今後、さらに限りなく無価値である「0円でも売れない」といった物件も増えるだろう。これからますます3極化の傾向はよりくっきりと、輪郭を浮き上がらせてくると予測している。
感想
新築、中古ともに供給が減っていき、価格高騰が見込まれる、という内容ですね。
それにも、関わらず、リモートワークでの意識変容、住宅ローン超低金利によって、
住宅市場の絶好調が続く、ということですね。
しかし、仮に2022年はそうだったとしても、不動産投資は、
10年~20年といったような中長期を見越して行うものですから、
今後、毎年、人口減少が見込まれていて、空き家も増えていく予測は確実な状況で、
単純に今年は絶好調!と言われても・・・という感じですね。
しかも、 「都心」「駅前・駅近・駅直結」「大規模」「タワー」の1億円近い物件は、
絶好調かもしれませんが、これらは一部の超富裕層しか買えないのでは?
やはり、不動産投資をするなら地方中古一棟アパート、または戸建てをターゲットに
少しずつ資産を増やしていくのがベターだろうなぁ、と改めて感じた記事でした。
以上!
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